◆「終点、起点、そして通過地点(The One's End,And Another One's Beginning)」...
「乗客達にとっては
線路の途切れたこの場所は終点。
その先の白と黒だけの大地へ向かう
旅人達にとってはこの場所は起点。
尤も、ホームから直接繋がる
青い絨毯の上の船着場から
舟に乗る旅人達にとってここは結局、
ただの通過地点に過ぎないのだろう。
今日も白と黒の大地の
波のようなうねりが
額縁の向こうから
押し寄せては引いている。
その先に何があるのかも
どのような事が起こるのかも
判らない。
時計も羅針盤も当てにはならない。
既存の地図や海図を信用する事は
色彩の抜け落ちた街の頂点で
ふんぞり返って飲むワインを
美味しいと宣う人物の
言葉と味覚を鵜呑みにするようなものさ。
だけど、
この先にどのような事が起ころうとも、
信頼出来る自分自身或いは
一緒に往くと決めた誰かが居れば
きっと大丈夫さ。
この場所を通り過ぎて行く
旅人達の背中に向けて
言葉にならないエールと祈りを
送りながら。」
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
ケント紙に水彩絵の具、水彩色鉛筆で描いたもので、
完成後B4(257×364)サイズ程に切り取ったもの。
ちなみに、右の二編成の列車が停まっている側線は
隣の駅を始発着する列車の引き上げ線(のようなもの)で、
この駅は「隣にある主要駅から船着場までの輸送に特化した
区間の(南海の「和歌山港駅」と同じような役割の)駅」
...と言う設定で描いております。