◆「孵化する街に産み立ての建造物群(@ The Hatching City)」...
「この街で見られる
卵型の建物は、
一般住宅や店舗にオフィス、
駅前のスーパーマーケットに至るまで
何一つ例外はなく全て
あの鶏の卵から産まれたもの。
街の街路には建物が孵る際に
破れた殻に色付けをして
モザイクのように貼り付けられている。
この街の中であれば何処からでも
あの鶏の姿がよく見えたりするものだから、
C.T.W.(Colour-Trash World)内の大企業は
挙ってトサカに広告を入れているのだが、
その見返りとして鶏には
栄養豊富な最高級の餌を与えている。
その為なのか近頃は
あの鶏から産まれる卵から孵る建物が
次第に大型化してゆき、
役所や公共施設はもとより、
街の郊外に続々と立ち並ぶようになった
近代的な高層ビルやコンドミニアム、
海外資本の大型ホテル、
そしてこの街の玄関口の新駅舎も全て
あの鶏の卵から孵ったものだ。
建物の大型化と共に
発展していく街には
続々と人口が増え、
駅には一部の特急が停まるようになった。
今日もあの鶏の懐には
新たに産み落とされたばかりの卵の姿。
これから孵るであろう建物の形態が
もう既にうっすらと見えている」
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完成の後A4(210×297)サイズ程に切り取った水彩紙に
水彩絵の具、水彩色鉛筆で描いたもの。
グループ展「Mix展 2」の展示作品でした。
実は、この絵は元々「勘違い」-
本の表紙に写っている鶏を木の幹と勘違いしたのが切っ掛けで、
そこから「鶏の木を中心に街が拡がっている構図」→
「その街は全部卵で出来ていて街路も卵の殻で出来たモザイクで
出来ている」...と言う具合に
さらなる細部も含めて構想が拡がっていきました。