◆「電飾と喧噪の隙間のギターの音色(Acoustic Guitar Weeps @ the Neon-Crystal City)」...
「電飾水晶の都市の夜は
終電の時刻となっても尚
さらなる盛り上がりを
見せているようだ。
その様子は
窓の向こう側に居ても
手に取るようにして判る。
この時間帯のラジオ番組は
そんな街の盛り上がりを
そのまま伝えるかのような選曲で
放送している。
だけど今
僕が聴きたいのは
そんな音ではない。
この日の放送と
本来の役割を終えた
テレビの画面を覆い尽くした砂嵐が
零れ落ちて
ささやかな砂漠を形成している。
そんな様子を横目に見ながら
こんな日の夜に聴きたいのは
翼を休めるギターの弦を
戯れに奏でる夜風の音色。
音と音の隙間から覗く
空気の密度。
窓の向こうのあの街の
盛り上がりも今や最高潮、
流行りのクラブから聴こえる喧騒と重低音、
ミラーボールやネオンの輝きに紛れて
至る所で待ち構えている
甘い罠と落とし穴、
全てをかわしたその先で
周波数を合わせて
耳を澄ませていれば
あの街に居ても
今夜の夜風が奏でる
ギターの弦の音色は
きっと聴こえている筈さ。
テレビの画面から零れ落ちた
砂漠の上には
いつしか花が咲いていた。
何らかの贖罪のつもりなのか
それとも単に興を添えたつもりで
いるのかどうかは
僕には判らなかった。」
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完成後にA4(210×297)サイズ程に切り取った
画用紙に水彩絵の具、水彩色鉛筆で描いたもの。
ダンス系の楽曲が中心に流れる
とあるラジオ番組を聴いていた時に
ふと心に沁みるようなアコースティック系の音楽を
急に聴きたくなった...と言う所から
この絵を描こうと思い立ちました。
(※ダンス系の楽曲は基本的に
当方は大好きですが)
文中にて言及されている「電飾水晶の都市」は
C.T.W.(Colour-Trash World)の最大都市
(且つ最大消費地)で、
C.T.R.(Colour-Trash Railway)の
ターミナルも方面別に分かれて市内に
点在していたりします。