◆「唄う港町の青いジャズの夜(Swinging Port-city And Blue Jazz Night)」...

 

(ある旅行者の手記より)

「ここ「唄う港町」と呼ばれる都市は

連日のように酔っ払った船乗り達の

陽気な歌声が街中に響き渡る様が

あたかも「街そのものが唄を歌っている」ようであった事から、

そう呼ばれるようになったのだそうだ。

 

時は流れて

海を往く船から

空を往く翼の生えた船が主流となった現代でも、

C.T.W.(Colour-Trash World)最大の

港町である事に変わりはなく、

今尚国外から続々と運ばれてくる舶来品に

街は潤い、活気づいている。

元々海に面している事に加えて、

最近になって深海への高速列車のターミナルが

桟橋に出来た(※こちらの記事を参照の事)と言う事もあって、

街中では人魚の姿も数多く見受けられる。

翼を休めて波の上に身を委ねる有翼船は

どんな立派な翼を持っていても尚、

海の記憶を完全に忘れる事は出来ないようだ。

そんな夜の港の情景を向こうに臨む通りには

古い蓄音機を改装したジャズクラブがあるのだが、

そこに今夜出演するバンドは

国外の音楽ファン達の間では既に知られた存在なのだそうで、

既に終電の時刻だと言うのにも関わらず、

公演会場の前では

この街の耳の肥えた音楽好き達が

続々と集まって来て、

扉が開くのを今か今かと待っている。

普段は観光客相手に路上でライブを行っている

翼の生えた楽器達も、

今夜のミュージシャン達が

どのような音を聴かせてくれるのか

興味津々の様子でやって来た。

 

 

隣にある深夜営業のティーポットの喫茶店は

ライブ帰りの客や

夜遊び好きの常連客でごった返して、

明け方まで満席となっているのが

常なのだそうだ。

折角だから今夜は

地元の人から教えてもらった

壁の穴の中で営業している

隠れ家的なバーで

ライブの余韻に浸りながら

バーテンダーの作るオリジナルカクテルに

酔い痴れるとしようか」

 

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完成後にA4(210×297)サイズ程に切り取った水彩紙に

水彩絵の具、水彩色鉛筆で描いたもの。

 

「青を基調とした空間の中に蓄音機のジャズクラブ」と言う構図の絵自体は

大分前に描いてみたいと思っていたのですが、

ある時に横浜のジャズのライブハウスの記事を読んでいた時に

(この絵の)全体のイメージが固まり、

そこからは(細部の手直しに時間が掛かった事を除けば)

比較的スムーズに完成させる事が出来ました。

...例によって当初思い付いていたものよりも

 

遥かに賑やかなものになりましたが。(苦笑)

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