◆「晩秋広場からの便り(Message From Late Autumn's Feeling)」...

「北風に散らされた

枯葉のくすんだ色に街中が埋め尽くされるようになれば、

ここC.T.W.(Colour-Trash World)でも

冬の到来をはっきりと感じられるようになる。

創り主の魔法使いの許から先月独立したばかりだと言う、

清掃作業中の翼の生えたホウキは

「どんなに掃いても掃いてもキリがない」と

ぼやきながら、

広場中の落ち葉を掃いていた。

キッチンカーを牽いた

移動図書館の三輪トラックが

店を構える広場の一角は、

散歩ついでに

一杯のコーヒーと読書を楽しもうと言う人々で賑わい、

ストーブの周りに設えられた

切り株の椅子も全て埋まっていた。

観光で来ていると思しき人魚の姿も見られたが、

紙で出来た本と言うものが海底では珍しいからなのか、

日替わりケーキセットに付いてきたコーヒーが

冷めている事にも関わらず

本の中身に熱心に目を通していた。 

その反対側の

誰かが置いて行った

空のインクボトルの中では

一体何時からなのかが判らないのだが、

インクと紙の専門店が

オープンしていた。

意思を持つ店主の羽ペンは

どの紙にはどのインクを使って書けばいいのかを

よく熟知しているのだそうで、

今のこの瞬間も客の相談に乗っていた。

尚、文章を書くのが得意では無い向きには

別途料金こそ発生するものの、

手紙の代筆も行っているようである。

 

ずっと書きかけのままだった

未来の自分への手紙、

上手く文章にするのは難しいから、

店主に頼んで代筆してもらおうかとも考えたけれども、

やっぱり自分で続きを書く事にしよう。

移動図書館で手にした本の中に書かれていた

気に入ったフレーズの幾つかと

偶然舞い込んで来た落ち葉を

封筒の中に忍ばせて」

 

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

 

完成後にA4(210×297)サイズ程に切り取った水彩紙に

水彩絵の具、水彩色鉛筆で描いたもの。

 

「晩い秋」をテーマにした(比較的)シンプルな絵を描きたい...と

思って描いたもので、

色合いも全体的に茶色系統のものに統一するようにして描きました。

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