◆「退屈しのぎの結節点(What To Doing Until Next Tram Coming)」...
(ある旅行者の手記より)
「広大な、と言うべきなのか今尚拡大が続いている
C.T.W.(Colour-Trash World)、
その首都に当たる街が
ここ「夢を夢見る都」と呼ばれる、
市域全体が
「全ての人から愛される都市になる」事を
夢見ている都市である。
よく整備された地下鉄の支線の終着駅の
機会化された改札を抜ければ、
表通りではひっきりなしに続々とトラムがやって来る。
C.T.R.(Colour-Trash Railway)の車両の電力を供給する
羽鉛筆の不足が叫ばれている昨今であるが、
これだけの数のトラムが走り回っていれば
確かに幾らあってもすぐに足りなくなると言うものだろう。
市内であれば大抵は
待たずにすぐに次のトラムがやって来るのだが、
郊外方面に出るような系統は
本数が少なく
1時間以上待たされる事も珍しくは無い。
それでも、停留所の周りを見渡せば
様々な店舗や施設が充実しており、
長い待ち時間でも退屈する事はない。
通りの向かい側にある蓄音機の名曲喫茶では
賑やかな表通りから隔絶されているかのような
落ち着いた空間で、
店主のコレクションでもある
クラシック音楽のレコードを聴きながら
淹れたてのコーヒーを味わう事が出来るのだそうだ。
常連客の老人は
「自分がこの街に来てから何十年もの間、
ここに通うのが習慣になっている」との事である。
地下鉄の駅の隣にあるジュークボックスのバーでは、
DJが選曲したBGMと共に
ボリュームたっぷりの料理や輸入ビール、
週末にはバンドによる生演奏のライブも楽しむ事が
出来るのだそうだが、
入り口に貼ってあった貼り紙には
開店時刻は"夕方"とだけ記されてあった。
その並びにある大樹の書店は、
雑誌や絵本、芸術書等々カテゴリー別に
独立したフロアが設けられており、
各分野の専門書もそれぞれ充実しているようだ。
停留所すぐ側の理髪店で
身だしなみを
整えるのも悪くはない。
そうこうしている内に
目的のトラムが走り去ってしまった。
次の列車がやって来るまでまた
1時間以上待たなければならない。
さて、次は何処で時間をつぶそうか...」
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
A4(210×297)サイズ程に完成後切り取った水彩紙に
水彩絵の具、水彩色鉛筆で描いたもの。
実は、この絵を描き始めたのが丁度コロナ禍の直前位の時期で、
「密を避ける」事が推奨されていたり(※今現在もですが)
店舗等の施設がロックダウンで閉店していたような時期に
このような絵を描くのはどうか...と言う事もあって、
また、絵自体も「描けば描く程さらにモチーフ類がどんどん増えて行く」と言う状態で、
「(完成まで)終わりが見えない」事もあって
一旦は描くのを中断しておりました。
それでも、時折引っ張り出しては少しずつ進めて行って、
ようやく(「時の彼方に流されて行くものと時の流れに抗うものと
(How I/They Against The Time Flies)」」を
描き始める位の時期の前後位に)完成させました。