◆「街道トラムは川沿いを往く(The Tram Goes On Riverside Road)」...
(ある旅行者の手記より)
「C.T.W.(Colour-Trash World)中には
町や集落を結ぶ街道が張り巡らされており、
様々な人や物の交流が
古くから盛んに行われてきた。
そんな街道上には
大抵は「街道トラム」と呼ばれる
路面電車が運行されている事が
多いのだが、
川に沿って走るこの街道も
その例外ではない。
並走するハイウェイやバイパスが完成し、
いつしかここが
旧街道と呼ばれるようになった今も尚、
相変わらず交通量の多い街道沿いには
古い時代の痕跡や
トラムが敷設される前から営業する
老舗等も少なくない。
街道の途中の開けた場所にある信号所では、
近くの工場で抽出された
膨大な量のカラーチップを積載した
色彩運搬列車の
通過待ちを行う事が多いのだが、
1本のみならず多い時では
2~3本待たなければならない事すらある。
待ち時間が長くなるからなのか、
正式な駅では無いのにも関わらず
乗降が認められており、
信号所の周りには待合所を兼ねた休憩所や
気軽な飲食が出来る食堂も見受けられる。
すぐ側のチェス盤の建物の前では
暇を持て余したチェスの駒達が
遊び相手を勧誘していたが、
彼らが納得するまで
ゲームに付き合わされる羽目になるので、
待ち時間の間の退屈しのぎのつもりで
勧誘には気軽に乗らない方が良さそうだ。
他にも旧型パソコンを改装したビジネスホテルや
注文客の許へピザ自ら飛んで行く配達方法が
好評の大手ピザショップの
専用ポートを備えたチェーン店が
道路沿いに見受けられるのは
時代の流れなのだろうか。
川の方に目を向けて見れば
昨晩、空から降って来た流れ星が浮かんでいたが
願い事をする人は誰一人居ないようだった。
その替わりと言っては何だが、
釣り人が星に乗っかって魚釣りをしていた。
―待つ事十数分。
ようやく向こう側から
色彩運搬列車が姿を見せた。
機関車の吐く黒煙の上に請求書を載せながら、
大量のカラーチップを載せた貨車を何両も連ねて
のっそりと信号所を通過して行ったのだった。」
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B4(257×364)サイズのコピー用紙にボールペンで描いたもので、
ブックカバー用イラストとして描いたもの。
「白い砂の街道と初夏の分岐点(White Sand Invites To The Early Summer Trip)」に
続いての「街道トラム」の登場となりますが、
千葉の市川市内にある「行徳街道」のような
川沿いの旧街道に路面電車が走っているような光景を
ふと描いてみたくなった...と言うのが切っ掛けでした。
前回のブックカバーイラスト
「色彩運搬列車の走る街(The Industrial Train Coming To Town)」同様、
より大容量のファイル(2.56MB、jpgファイル)を
アップロード致しましたので、
ダウンロードしてお使い頂ければと思います。
尚、ファイルには二種類ございますが、zipかそうでないかの違いだけで内容は同じです。
(日付が違うのは単なる設定ミスですのでご了承下さい。)
※↓「街道トラムは川沿いを往く【ブックカバーイラスト】ファイルダウンロードページ
(2021年5月9日まで)
https://1.gigafile.nu/0509-bc1d5cd215075ea8ec59db9bd99e8751e
↓※こちらはzipファイルとなりますが、内容は上のjpgファイルが入っているのみとなります。
(2021年5月16日まで)
https://1.gigafile.nu/0516-5e72ad4f04a0b1fdf1d864d64454e268
※画像は一部分を色鉛筆にて着色しております。
ブックカバー自体は今回は
河出書房新社より出版されている「ふくろうの本」シリーズ等の
サイズに合わせております。
尚、原画はB4サイズで描いておりますが、
実際にブックカバーとして使用する際には
B4よりも(A3などの)大きめのサイズで
出力した方が使いやすいかも知れません。